この記事では、映画「グッバイ・クルエル・ワールド」について、公式サイトからの情報を紹介した上で、私の感想を記載しています。新たに本映画を鑑賞する人が増えてほしいというのが本記事の目的であり、ネタバレは記載しておりません。
あらすじ
夜の街へとすべり出す、水色のフォード・サンダーバード。
カーステレオから流れるソウルナンバーをBGMに交わされるのは、「お前、びびって逃げんじゃねーぞ」と物騒な会話。
互いに素性を知らない一夜限り結成された強盗団が向かうのは、さびれたラブホテル。
片手にピストル、頭に目出し帽、ハートにバイオレンスで、ヤクザ組織の資金洗浄現場を“たたく”のだ。
仕事は大成功、大金を手にそれぞれの人生へと戻っていく。
──はずだった。
ヤクザ組織、警察、強盗団、家族、政治家、金の匂いに群がるクセ者たち。
もはや作戦なんて通用しない。
クズ同士の潰し合いが始まる。
最後に笑うのは誰だ!
引用元:映画「グッバイ・クルエル・ワールド」公式サイト
予告編
ネタバレなし感想
主要人物皆問題あり
この映画の主要人物は悪人ばかり。
金儲けのため、借金返済のため、自分のビジネスのためと、強盗団のメンバーの動機は利己的なものだけ。
止むに止まれぬ事情があってというような背景は一切ありません。
そして、金を奪われたヤクザ側も勿論真っ当な事情があるわけでもなく、そこに関わる汚職警官も同様です。
利己的な事情で集まった悪人たちの強盗計画は最初はうまくいったように見えますが、すぐに綻びが生まれ、破滅へと進むことになります。
明日が見えないからこそ、刹那的に輝く
元々、強盗団の誰もがどっかで既に心が壊れていたり麻痺しているんです。
そんな壊れた大人が始めるつぶし合い。
どうやってもハッピーエンドにはなりえないって、視聴者に伝わってくるんです。
この人たちのほとんどに明日はないんだろうなって伝わってくるんです。
だからこそ、利己的な悪あがきでも、鮮烈な輝きに見える瞬間があります。
特に、玉城ティナさんと宮沢氷魚さん演じる二人の、諦めと狂気、愛情の入り混じった行動が、刹那的な輝きを放っているように印象的でした。